リファラル採用規程の作り方と雛形|コピペで使えるテンプレートと記載項目・法的リスク

目次(タップで開閉)
- 1リファラル採用規程とは
- 2就業規則に入れる? 別規程で運用する?
- 3規程づくりにかかる手間と、誰が作るか
- 4実務上、規程に盛り込んでおきたい項目
- 5いちばん揉める「対象範囲と対象外」を先に潰す
- 6報奨金条項は「揉める箇所」を先に潰す
- 7そのまま使える雛形(コピペ利用可)
- 8リファラル採用規程の作り方(5ステップ)
- 9リファラル採用規程の法的リスクと対策
- 職業安定法40条:報酬は「賃金」として支給する
- 労働基準法6条:中間搾取に当たらない形にする
- 労働基準法89条:賃金規程に明文化する
- 早期離職時の「返還条項」は慎重に
- 税金の扱い
- 10申請フローと周知で「使われるルール」にする
- 11よくある質問(FAQ)
- 12まとめ
- 13出典・参考
「リファラル採用を始めたいけれど、そもそも規程って必要なの?必要だとして、何をどう書けばいいの?」。制度を整える段になると、多くの人がここで手が止まります。そもそも作るべきかどうかから、この記事で順に解いていきます。
先に結論をお伝えします。リファラル採用規程で外してはいけないのは、揉める箇所(対象外と支給条件)を先に潰しておくことと、報酬を「賃金」として位置づけることの2点です。この記事では、そのまま使える雛形(テンプレート)を全文掲載し、各条に何を書くか、就業規則との関係、法的リスクと罰則まで、実務でつまずかないよう網羅して解説します。雛形はあくまで叩き台なので、最後は自社に合わせて調整し、社会保険労務士や弁護士に確認してください。
リファラル採用規程とは
リファラル採用規程とは、社員に知人を紹介してもらう「リファラル採用」について、対象者・手続き・報酬・支給条件などのルールを定めた社内規程です。報酬(インセンティブ)を出す場合は、その金額と支給条件を明文化する役割を担います。
なくても運用は始められますが、規程がないと支給の判断が場当たりになり、「あの人はもらえたのに自分は」といった不満やトラブルの火種になります。たとえば、前に紹介した社員には報酬が出たのに、今回は条件が曖昧なまま見送りになる。こうした不均衡が一度起きると、せっかくの協力ムードが冷えてしまいます。ルールを先に決めておくことが、社員に安心して紹介してもらう土台になります。エン・ジャパンの調査では、リファラル採用を実施した企業のうち、制度としてきちんと仕組み化できているのは33%にとどまります。多くの会社が、やってみたものの明文化しきれていない状態です。
就業規則に入れる? 別規程で運用する?
まず多くの人が迷うのが、リファラル採用のルールを就業規則そのものに書き込むのか、独立した「リファラル採用規程」として別に作るのか、という点です。
結論から言うと、どちらでもかまいません。ただし、報酬を賃金として支給する以上、賃金に関する部分は賃金規程(就業規則の一部)と整合させる必要があります。労働基準法89条は、常時10人以上を使う事業場に就業規則の作成・届出を義務づけ、賃金の決定・計算・支払方法・支払時期を必要記載事項としているからです。
私なら、運用ルール(手続き・対象者・禁止事項など)は取り回しのよいリファラル採用規程にまとめ、報酬の支給条件・金額・時期は賃金規程と整合させる設計をおすすめします。別規程だけを作って賃金規程と切り離すと、報酬を「賃金」として扱う根拠が弱くなり、職業安定法や税務の観点で位置づけが曖昧になりやすいからです。すでに就業規則がある会社は賃金規程との整合を、これから整える会社は両方をセットで設計すると、後の手戻りが減ります。
規程づくりにかかる手間と、誰が作るか
規程づくりは、ゼロから条文を起こすと身構えますが、雛形をベースにすれば負担は大きく下がります。私なら、雛形をたたき台に自社版の原案をつくるところまでは、半日から1日程度を目安にします。ただし、金額や対象範囲を社内で決める議論と、専門家のレビューを含めると、かかる期間は会社によって大きく変わります。
誰が作るかは、会社の規模で変わります。創業まもないスタートアップや小さな会社では、社長や管理部門の担当者が雛形をもとに直接つくることが多いです。人事・労務の担当がいる会社では、その担当が原案をつくり、社会保険労務士のレビューを受ける流れが一般的です。いずれの場合も、金額の妥当性は経営、法務・税務は専門家、と役割を分けると、抜け漏れが減ります。
実務上、規程に盛り込んでおきたい項目
すべてが法律で義務づけられているわけではありませんが、実務でトラブルを防ぐために盛り込んでおきたい項目を、一覧で押さえます。
- 目的
- 定義(用語)
- 紹介者の範囲と除外
- 紹介の手続き
- 選考の公平性
- 報酬額と支給条件
- 支給時期(後払い)
- 禁止事項
- 個人情報・守秘
- 改定と施行日
それぞれ、何を書くかを簡単に説明します。
- 目的:制度の狙い(良い人材の採用と定着)を1〜2文で。「業として職業紹介を行うものではない」と趣旨を示しておくと、位置づけが明確になります
- 定義:「紹介者」「候補者」「紹介報酬」などの用語を定義します
- 紹介者の範囲と除外:紹介できる社員の範囲と、除外する人(役員、採用の意思決定に関わる人事担当者、試用期間中の社員など)を明記します
- 紹介の手続き:どこに、何を出せば紹介成立とみなすかを決めます
- 選考の公平性:紹介はきっかけであり、選考は通常の応募者と同じ基準で公平に行うと明記します
- 報酬額と支給条件:金額と、支給の条件(入社し、一定期間在籍したら、など)を具体的に書きます
- 支給時期:いつ払うか。ここが返還トラブルを避ける鍵になります(後述)
- 禁止事項:虚偽の紹介、候補者との金銭の授受、強引な勧誘などを禁じます
- 個人情報・守秘:候補者の情報の取り扱いを定めます
- 改定と施行日:改定手続きと、いつから施行するかを記します
いちばん揉める「対象範囲と対象外」を先に潰す
規程で後から揉めるのは、たいてい「誰の紹介として扱うか」の境界です。対象範囲は広げるほど紹介は増えますが、対象外が曖昧だと、紹介者ごとに期待値がバラついて、「これは自分の紹介のはずだ」という主張がぶつかります。
コツは、対象を広く定義したうえで、「誰の紹介として扱い、誰に報酬を支給するか」で揉めやすいケースを先に並べ、対象外だけを言い切ることです。紹介制度でとくに揉めやすいのは、次の3つの軸です。
確認する軸 | 決めておくこと(誰の紹介・誰に報酬か) |
|---|---|
紹介者の立場 | 採用担当者や採否を決める人など、選考に関わる社員を紹介者に含めるか(公平性の観点から外すのが一般的) |
候補者との関係性 | 親族・同居人などを対象にするか、対象外にするか、条件付きで認めるか |
候補者の応募状況 | 過去の応募者・選考中の候補者・他チャネルですでに応募済みの候補者を、その社員の「紹介」として扱うか |
とくに気をつけたいのが、応募状況の線引きです。候補者が紹介の届け出より前にすでに自社へ応募・選考が始まっていた場合を対象外にしておかないと、他チャネルとの重複や、誰の紹介なのかをめぐって必ず揉めます。後で紹介する雛形の第7条は、この点を明文化したものです。
報奨金条項は「揉める箇所」を先に潰す
規程でいちばん揉めるのは、報奨金(報酬)の支給条件です。ここが曖昧だと、後で必ず解釈の食い違いが起きます。揉めやすいのは「金額」「支給の条件」「支給の時期」の3点。先に、この3点を誰が読んでも同じ結論になるレベルまで具体化します。
- 報酬は状況に応じて支給する
- 良い人を紹介したら手当を出す
- 早く辞めたら返金してもらう
- 入社日から6か月以上の在籍で支給
- 対象者・除外・金額を具体的に明記
- 在籍を確認してからの後払いにする
「状況に応じて支給する」ではなく、「被紹介者が入社し、入社日から6か月以上在籍した場合に、確定した翌月の給与で支給する」というレベルまで具体化します。金額も同じで、「相応の手当」ではなく「一律10万円」「エンジニア職は15万円」と数字で書きます。読み手に解釈の余地を残さないことが、規程の役割です。
そのまま使える雛形(コピペ利用可)
以下の雛形をコピーして、自社に合わせて金額・期間・部署名などを調整してください。これは一般的な雛形であり、法的助言ではありません。 導入前に、就業規則・賃金規程との整合を含めて、社会保険労務士や弁護士に確認することをおすすめします。
本規程は、当社の従業員による人材紹介(リファラル採用)に関する取り扱いを定めるものである。本制度は、当社の採用活動の一環として行うものであり、業として職業紹介を行うものではない。
本規程において、次の各号の用語の意味は、それぞれ当該各号に定めるところによる。 (1) 紹介者 当社に在籍し、候補者を紹介する従業員 (2) 候補者 紹介者から紹介を受けた採用候補者 (3) 紹介報酬 本規程に基づき紹介者へ支給する金銭
紹介者となることができるのは、当社に在籍する正社員および契約社員とする。ただし、役員、採用選考の意思決定に関与する者、および試用期間中の従業員を除く。
紹介者は、会社が定める方法により、候補者の氏名および連絡先等を人事部に届け出るものとする。会社は、届け出をもって紹介の成立とみなす。
候補者の選考は、通常の応募者と同一の基準により、公正に行う。紹介は選考の結果を保証するものではなく、不採用の場合においても、紹介者はいかなる不利益も受けない。
会社は、候補者が当社に入社し、入社日から6か月以上在籍したときは、紹介者に対し、紹介報酬として金○○円を支給する。紹介報酬は、支給要件を満たした日の属する月の翌月の給与支払日に、賃金として支給する。
次の各号のいずれかに該当する場合、紹介報酬は支給しない。 (1) 候補者が、紹介の届け出前にすでに当社の選考に応募していた場合 (2) 紹介者または候補者に、本規程に反する行為があった場合 (3) 支給日より前に、紹介者が退職した場合
紹介者および候補者は、次の行為を行ってはならない。 (1) 経歴等について虚偽の情報を申告すること (2) 紹介に関して、当事者間で金銭その他の利益を授受すること (3) 候補者の意に反して、応募を強要すること
会社および紹介者は、候補者の個人情報を、採用選考の目的の範囲内で適正に取り扱う。
本規程の改定は、会社が必要と認めたときに行う。
本規程は、○○○○年○○月○○日から施行する。
金額・期間・部署名などは自社に合わせて調整してください。一般的な雛形であり法的助言ではありません。
雛形の第6条で「賃金として支給する」としているのは、後述する職業安定法との関係からです。第7条で対象外を並べているのは、揉めるケースを先に潰すためです。
リファラル採用規程の作り方(5ステップ)
雛形を自社版にしていく手順です。
- 目的と対象を決める:何のために制度を作るか、誰が紹介できて、どんな場合を対象外にするかを固めます
- 報酬額を決める:金額と支給条件を決めます。相場や決め方は報酬相場の記事で詳しく整理しています
- 法務・税務を確認する:職業安定法や所得区分の観点で問題がないかを見ます(次章)。詳しくは報酬は違法?の記事を参照してください
- 就業規則・賃金規程に位置づける:報酬を「賃金」として扱うため、賃金規程との整合を取ります
- 社員へ周知し、運用を回す:作って終わりにせず、申請フローと周知を整えます(後述)
リファラル採用規程の法的リスクと対策
報酬を出す以上、いくつかの法律が関わります。関係する法律と対策を、先に一覧で押さえます。
関係する法律 | 主な内容 | リファラル採用での対策 |
|---|---|---|
職業安定法 第40条 | 募集に従事する者への報酬供与の制限 | 報奨金を「賃金」として支給する |
労働基準法 第6条 | 中間搾取の排除(業として就業に介入し利益を得ることの禁止) | 紹介を「業」にせず、選考は会社が公平に行う |
労働基準法 第89条 | 就業規則の作成・届出義務(賃金は必要記載事項) | 支給条件・金額・時期を賃金規程に明文化する |
所得税法 | 給与の源泉徴収義務 | 給与所得として所得税を源泉徴収する |
以下は一般的な考え方であり、法的・税務的な助言ではありません。自社のケースは、社会保険労務士・弁護士・税理士に確認してください。
職業安定法40条:報酬は「賃金」として支給する
職業安定法40条は、労働者の募集に従事する人へ、賃金など以外の報酬を与えることを制限しています。リファラル採用の報奨金がこれに該当すると判断されないよう、実務では報酬を就業規則・賃金規程に位置づけ、「賃金」として支給する形が採られます。仮に違反と判断された場合、同法65条により6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。あわせて、金額が人材紹介会社の相場を大きく超えないようにするのが、安全側の運用とされています。
労働基準法6条:中間搾取に当たらない形にする
労働基準法6条は、「業として他人の就業に介入して利益を得ること」(中間搾取)を禁じています。自社の従業員が知人を紹介し、会社から賃金として報酬を受け取る形は、通常これには当たりません。法務上のポイントは、この制度を、業として継続的に職業紹介を行う仕組みや、外部への紹介ビジネスの形にしないことです。社内の採用活動の一環にとどめておけば、中間搾取の問題は生じにくくなります。
なお、これとは別に、選考の公平性・ガバナンスの観点からの留意点があります。紹介者を採否の判断に関与させないことです。紹介はあくまできっかけにとどめ、選考は通常の応募者と同じ基準で会社が行います(雛形第5条)。これは中間搾取とは論点が異なり、「紹介したから有利になる」状態を避けるための運用上の対策です。
労働基準法89条:賃金規程に明文化する
常時10人以上の労働者を使う事業場は、就業規則の作成と届出が義務づけられ、賃金の決定・計算・支払方法・支払時期は必要記載事項です。報酬を賃金として支給するなら、支給条件・金額・時期を賃金規程に明文化しておく必要があります。ここを整えておくことが、40条対策とも結びつきます。
早期離職時の「返還条項」は慎重に
紹介報酬を払った後で候補者が早期離職したとき、報酬を返させる「返還(クローバック)条項」を入れたくなります。ですが、すでに賃金として支払ったものの返還を強制する条項は、労働基準法が禁じる賠償予定(16条)や、賃金全額払の原則(24条)との関係で、無効と判断されるリスクがあります。
そこで、返還を求める設計よりも、一定期間の在籍を支給条件として、それを確認してから支払う設計のほうが、返還トラブルを避けやすくなります。この雛形では在籍期間を6か月としていますが、これはあくまで一例で、法令で決まった期間ではありません。3か月でも1年でも、自社の考え方で設定できます。返還を求める条項をどうしても入れたい場合は、必ず弁護士に確認してください。
税金の扱い
この雛形のように報酬を賃金として制度設計する場合、紹介報酬は給与所得として源泉徴収する前提になります。処理の詳細は、税理士や給与計算の担当者に確認してください。なお、制度の建て付け次第では一時所得など別の扱いになる考え方もありますが、これは会社が所得区分を自由に選べるという意味ではなく、実際の建て付けによって決まるものです。賃金として支給する場合は、社会保険料の算定や割増賃金の基礎に影響する可能性もあるため、あわせて確認しておくと安心です。法務・税務の詳しい論点は報酬は違法?の記事でも整理しています。
申請フローと周知で「使われるルール」にする
規程は、作っただけでは動きません。使われる状態にするには、「申請のしやすさ」と「周知」の2つを整えます。
申請フローは、できるだけ短くします。誰が・どこに・何を出せば紹介成立になるかを1つの窓口に決め、チャットのフォームや専用の申請先にまとめます。手続きが複雑だと、紹介したい気持ちがあっても止まります。
周知は、条文そのままでは伝わりません。「誰が紹介できて、いくら、いつもらえるか」を1枚にまとめた案内を別に用意し、入社時のオンボーディングや定例のタイミングで繰り返し伝えます。
そして、いちばん大事なのは運用を止めないことです。制度を作った直後は紹介が出ても、反応がないと数か月で止まります。紹介があったらお礼と選考結果を返し、募集ポジションを定期的に思い出してもらう。この運用の作り方は続かない4つの壁の記事で詳しく解説しています。
よくある質問(FAQ)
Q. 規程は必ず作らないといけませんか?
法律上、必ず作る義務があるわけではありません。ただ、報酬を出すなら、支給条件を明文化しておくほうが、後の不満やトラブルを防げます。とくに報酬を「賃金」として扱うには、賃金規程との整合が必要になるため、規程として整えておくのが無難です。
Q. 報酬額はいくらに設定すればいいですか?
職種や採用難易度によりますが、数万円から十数万円に設定する企業が多く見られます。高すぎると質より数の紹介を招きやすくなります。金額の決め方は報酬相場の記事で詳しく扱っています。
Q. 報酬額は全職種で一律にすべきですか?
一律でも、職種や採用難易度で傾斜をつけてもかまいません。採用が難しいポジションほど高くすると、社内の紹介が本当に困っている採用に集まりやすくなります。
Q. 早期離職したら報酬を返してもらえますか?
すでに賃金として払った報酬の返還を強制する条項は、労働基準法との関係で無効になるリスクがあります。返還を求めるより、雛形のように「一定期間の在籍を確認してから支給する」後払いにするほうが安全です。
Q. 派遣社員やアルバイトも紹介者にできますか?
自社で範囲を決められます。雛形では正社員・契約社員を対象にしていますが、対象を広げること自体は可能です。雇用形態によって取り扱いに差を設ける場合は、公平性の観点から理由を整理しておくとよいです。
Q. すでに応募済みの候補者を、社員が後から紹介した場合も紹介報酬の対象になりますか?
法律で決まっているものではなく、会社の制度設計によります。ただし、紹介申請より前に応募済み・選考中だった候補者まで対象にすると、他チャネルとの重複や、誰の紹介なのか、報酬の帰属をめぐって揉めやすくなります。私は、「紹介申請の前に応募・選考が始まっている場合は対象外」といった線引きを、規程で明文化しておくことをおすすめします。
Q. 他社の規程やネットの雛形を、そのまま使ってもいいですか?
叩き台として使うのは問題ありません。ただし、自社の賃金規程との整合や、対象範囲・金額といった実態に合わせる調整は必要です。丸写しのまま運用すると、自社の制度と食い違う条文が残ることがあります。導入前に専門家へ確認してください。
Q. アルムナイ(出戻り)採用も同じ規程で扱えますか?
分けて考えるのが無難です。退職者を再び雇うアルムナイ採用は、リファラル採用とは対象も趣旨も異なります。両方を導入する場合は、それぞれ別の規程として整理しておくと、支給条件が混ざらずに済みます。
Q. 規程を作れば、法的リスクはなくなりますか?
規程を作れば必ず問題がなくなる、というものではありません。支給の建て付けや金額によって評価は変わります。規程は「支給条件を明確にし、賃金として位置づける」ための土台であり、最終的な適法性は、社会保険労務士や弁護士への確認が欠かせません。
まとめ
リファラル採用規程の作り方と雛形を見てきました。要点を整理します。
- 規程の肝は「揉める箇所(対象外・支給条件)を先に潰す」ことと「報酬を賃金として位置づける」こと
- 就業規則に入れても別規程でもよい。報酬を賃金として扱うなら賃金規程との整合が要る(労基法89条)
- 対象外は「紹介者の立場・候補者との関係性・候補者の応募状況」の3軸で言い切り、支給条件は数字で書く
- 法的リスクは、職業安定法40条(違反で6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)・労基法・所得税法。報酬は賃金として扱い、返還を求めるより在籍を確認してからの後払いにするとトラブルを避けやすい
- 雛形はあくまで叩き台。金額は報酬記事、法務・税務は違法?記事を参照し、最後は社労士・弁護士・税理士に確認する
規程が整ったら、次は運用です。制度は作って終わりにすると止まります。あわせて、メリット・デメリットの全体像や、続かない4つの壁も参考にしてください。
出典・参考
- 職業安定法(e-Gov法令検索) …40条 募集に従事する者への報酬供与の制限 / 65条 罰則
- 労働基準法(e-Gov法令検索) …6条 中間搾取の排除 / 89条 就業規則の作成義務 / 16条・24条
- 国税庁タックスアンサー …No.2508 給与所得となるもの / No.1490 一時所得
- エン・ジャパン「人事のミカタ」第127回(2017・501社) …制度化・運用状況の調査
- 東京商工リサーチ(2026年・6,475社) …リファラル採用の導入率

