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リファラル採用と縁故採用の違いは?「ずるい」と言われない5つの条件

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「リファラル採用って、結局コネ入社と同じではないですか」。制度を社内に説明する場面で、この質問を受けたことのある方は多いのではないでしょうか。

違いは、紹介してくれる人が誰かではありません。採否を何で決めるかです。あらかじめ定めた評価基準で候補者を判断するならリファラル採用、紹介者との関係が採否を左右するなら縁故採用、という線引きになります。紹介はきっかけにすぎず、採否は基準で決める。この一点を守れているかどうかで、同じ「知り合いの紹介」がまったく別のものになります。

なお、「縁故採用」という言葉に法律上の単一の定義があるわけではありません。この記事では、候補者の適性・能力よりも、紹介者との関係性が採否に強く影響する採用を縁故採用として整理します。そのうえで、紹介ルートではなく採否の判断基準を見る、という視点で両者を比べていきます。

以下では、両者の違いを採否基準のレベルまで分解し、国の統計で見た縁故採用の位置づけ、法的な整理、社内から「ずるい」と言われないための条件、そして自社を点検するチェックリストまでを扱います。混同されやすい「引き抜き」との線引きにも触れます。

リファラル採用と縁故採用は、何が違うのか

リファラル採用は、社員が自分の知人・友人を「自社に合いそうな人」として紹介し、会社が定めた評価基準で採否を判断する方法です。縁故採用は、経営者や役員、親族、特定の関係者とのつながりが採否に強く影響する採用を指して使われます。コネ入社と呼ばれることもあります。

実務で差が出るのは、次の5点です。

観点

リファラル採用

縁故採用

紹介する人

制度上定めた社員など

経営者・役員・親族・特定の関係者など

選考

接点や選考順序が通常応募と異なる場合はある

省略・簡略化される場合がある

採否基準

候補者の適性・能力など、あらかじめ定めた評価基準

紹介者との関係性が強く影響する場合がある

紹介者との関係

採否そのものを保証しない

採否判断に影響する

不採用

普通に起こり得る

関係性から断りにくくなる場合がある

差が出るのは3行目と4行目です。リファラル採用でも、最初にカジュアル面談を設ける、書類の確認を簡略化する、通常応募とは違う接点を用意する、といった運用はあり得ます。接点や順序が違うこと自体が縁故採用になるわけではありません。区別できるかどうかを決めるのは、最終的な採否判断に使う基準が通常応募と共通しているかどうかです。

採否が決まるまでの流れ
縁故採用
  1. 役員・関係者から「この人を」と打診
  2. 選考が省略・簡略化される場合がある
  3. 紹介者との関係が採否に強く影響
基準を満たさない入社が起きやすい
リファラル採用
  1. 社員が知人を「合いそう」と紹介
  2. 接点や選考順序は通常応募と違ってもよい
  3. あらかじめ定めた評価基準で採否を判断
紹介はきっかけ、採否は共通の基準で

制度としてリファラル採用を掲げていても、役員の紹介だけは基準を緩めているなら、その部分の実態は縁故採用に近づきます。制度名ではなく運用が線引きを決める、という見方をしておくと自社の点検がしやすくなります。

国の統計では、2013年時点で入職経路の21.8%が「縁故」だった

「コネ入社なんて、今どき少ないのでは」と感じるかもしれません。過去の国の統計を見ると、縁故は主要な入職経路のひとつとして集計されています。

厚生労働省が雇用動向調査をもとにまとめた労働市場分析レポート第41号によれば、平成25年(2013年)の入職者749万人のうち、入職経路として最も多いのは広告の268万人(35.8%)で、次に多いのが縁故の163万人でした。全体の21.8%にあたります。同じ年のハローワーク経由(20.1%)や民営職業紹介所(2.7%)よりも、縁故で入った人のほうが多かったという結果です。

入職経路として見た「縁故」の大きさ(2013年/平成25年)
21.8%
入職者全体のうち縁故で入職した人の割合
163万人
縁故で入職した人数(入職者計749万人)
26.6%
従業員5〜99人の企業での縁故の割合
17.4%
従業員1000人以上の企業での縁故の割合

厚生労働省「労働市場分析レポート第41号」(平成26年9月)より、平成25年=2013年の数値です。調査時点の数字であり、現在の水準を示すものではありません。同レポートでは、縁故の割合は長期的には低下傾向にあるとされています。

同じレポートには企業規模による差も出ています。従業員5〜99人の企業では縁故が26.6%を占め、1000人以上の大企業では17.4%でした。人手の限られた中小企業ほど、身近な人のつながりで採用してきたことがうかがえます。あわせて、縁故の割合は長期的には低下傾向にあるとも書かれています。

この数字は2013年の調査時点のもので、現在も同じ水準が続いていると言えるわけではありません。ここから読み取れるのは、少なくとも2013年の国の統計では、縁故は珍しい入職経路ではなかったという点です。また、集計上の「縁故」には、いわゆるコネ入社も、社員紹介も、取引先からの紹介も含まれます。つながり経由の採用が広く行われてきた前提で、自社のやり方が縁故に寄っていないかを言葉で説明できる状態にしておく価値があります。

「ずるい」と言われるのは、どういうときか

「紹介で入った人だけ、選考が甘いのでは?」。社内でこの声が出るとき、原因は制度そのものではなく、見えていない部分にあることが多いと私は感じています。次の3つに集約されます。

採否の基準が、社員から見えていない

紹介経由の候補者がどう評価されたのか、社員にはわかりません。基準が見えないところで結果だけが出ると、人は「特別扱いされたのだろう」と推測します。基準を制度の対象者に開示していない状態は、それだけで疑念の余地を残します。

紹介した社員が、その候補者の合否を左右できる状態にある

紹介者が面接の場にいることそのものが問題なのではありません。紹介者の意向で合否が決まる、あるいはそう見える状態が問題になります。実際に手心が加わったかどうかとは別に、周囲からは「身内が判定した」と映ります。

紹介の条件を、一部の人しか知らない

紹介できる範囲を制度で決めるのは自然なことですが、対象者の中でも一部の人だけが募集要件や報酬条件を知っている状態は、不公平感を生みます。同じ立場の社員が同じ情報を持っていないと、「知っている人だけが得をする制度」という受け取り方になります。

「ずるい」と言われないための5つの条件

上の3点を裏返すと、やることは具体的になります。私が制度を設計するなら、次の5つは最初に決めます。

1. 採否判断に使う評価基準を、通常応募と共通にする

接点の作り方や選考の順序は変えてもかまいません。紹介経由の候補者にだけカジュアル面談から始める、書類の確認を簡略化する、といった運用は現実的な工夫です。変えないのは、合否判断に使う評価基準です。求める要件、見る観点、判断のものさしを通常応募と同じにしておく。ここが記事の中核で、リファラル採用が縁故採用と区別できる根拠になります。

基準を文章にしておくと、社内への説明が一気に楽になります。

2. 紹介者との関係で評価が動かないよう、利益相反を抑える

紹介者を選考から完全に排除する必要はありません。小規模な会社では、紹介した社員が面談に入るほうが自然な場面もあります。押さえるのは次の4点です。

  • 紹介者だけで合否を決めない
  • 評価基準を事前に明文化しておく
  • 可能なら複数人で評価する
  • 紹介者としての情報提供と、採用評価としての判断を混同しない

「この人は前職でこういう働き方をしていた」という情報提供は歓迎すべきものです。それを評価点に読み替えるのは、評価者の役割として切り分けます。

3. 募集要件・紹介条件・報酬条件を、制度の対象者に同じように開示する

全社員に開くことが必須なわけではありません。特定部署だけで募集する、一部の職種のみ紹介を受け付ける、紹介できる社員の範囲を規程で定める、といった設計はあり得ます。避けたいのは、制度の対象者の中に、一部の人しか知らない特別な条件がある状態です。

対象者に対しては、募集ポジションと要件、紹介の手順、報酬の条件を同じ形で開示しておく。この透明性が公平性の土台になります。開示の進め方はリファラル採用の始め方で扱っています。

4. 報酬の対象者・金額・支給条件を、規程で統一する

金額が非公開で、支給の判断が人によって変わる状態は、不公平感の温床です。誰に、いくら、どのタイミングで払うのかを規程に落とし、対象者が読める場所に置きます。書き方はリファラル採用規程の作り方と雛形にまとめました。金額の水準は報酬相場の記事を参考にしてください。

5. 不採用も起こり得ることを、紹介の時点で共有する

「紹介すれば受かる」という期待を残さないことです。エン・ジャパンが501社に行った調査では、リファラル採用の懸念の1位が「不採用による、紹介した社員と応募者の関係悪化」で53%でした。半数以上の企業が、この場面を懸念しています。紹介を依頼する時点で「あくまで選考であり、不採用もある」と伝えておけば、候補者・紹介者との期待値のズレを小さくできます。伝え方は不採用の伝え方で詳しく書きました。

自社の運用を点検する

読み終えたところで、自社の運用を確認してみてください。

自社の運用を点検する5項目
  • 紹介経由でも、合否判断に使う基準は変えていない
  • 紹介者との関係だけで、選考を省略・優遇していない
  • 募集要件と紹介条件を、制度の対象者へ開示している
  • 報酬の対象者・金額・支給条件を、規程で統一している
  • 不採用もあり得ることを、紹介の時点で共有している

5項目すべてに「はい」と答えられるなら、紹介者との関係で採否が変わる運用からは距離を置けている状態です。公平性が完全に担保されることを保証するものではありません。

5項目すべてに「はい」と答えられるなら、少なくとも「紹介者との関係で採否が変わる」という縁故的な運用からは距離を置けている状態です。これで公平性が完全に担保される、という話ではありません。実際の選考でこの5項目が守られているかを、採用のたびに確認する必要があります。

縁故採用は違法なのか

検索でよく問われる論点なので、整理しておきます。

まず、縁故採用そのものを一律に禁止する法律があるわけではありません。誰を採用するかについては企業の判断が広く認められています。ただし、その判断が無制限というわけでもなく、個別の法令上の制約や、公正な採用選考についての行政上の考え方が存在します。

厚生労働省は公正な採用選考の基本として、応募者の基本的人権を尊重すること、応募者の適性・能力に基づいた基準により選考を行うことを原則に挙げています。あわせて、公正な採用の実現には「応募者に広く門戸を開くこと」と「応募者の適性・能力に基づいた採用基準とすること」が求められる、と示されています。これは行政が示す考え方であり、示された内容のすべてがそのまま法律上の義務として課されているものではありません。

この考え方に照らすと、紹介者との関係だけを理由に採否を決める運用は、公正性を社内外に説明しにくくなります。紹介をきっかけとして受け付けつつ、採否はあらかじめ定めた基準で判断するリファラル採用は、この考え方と両立させやすい形です。

紹介報酬については、職業安定法上の論点があります。特に、社外の第三者へ継続的に紹介報酬を支払う制度を設ける場合などは、制度設計について専門家に確認する必要があります。この論点は報酬は違法なのかを扱った記事で詳しく整理しているので、報酬の設計はそちらを参照してください。

ここで書いた内容は一般的な整理であり、法的助言ではありません。自社の制度が問題ないかは、社会保険労務士や弁護士に確認してください。

紹介チャネルに寄ったとき、何を見ておくか

縁故採用を避けられたとしても、社員紹介に大きく寄ると別の論点が出ます。社員が紹介するのは自分の交友関係にいる人なので、候補者プールが前職・出身校・コミュニティなどの面で似た層に集まりやすくなります。

海外には、採用チャネルの偏りが行政との争いのなかで論点になった例があります。米労働省は2016年、パランティア・テクノロジーズがエンジニア職の採用でアジア系応募者を差別したとして提訴しました。訴えのなかでは、採用の大部分を社員紹介の仕組みから行っていた点にも言及されています。同社は責任を認めないまま、2017年4月に160万ドルを超える支払いで和解しました(米労働省の発表)。

この事案の主題はアジア系応募者への採用差別をめぐる争いで、社員紹介制度そのものが違法とされた事例ではありません。ここから「社員紹介に偏ると違法になる」とは言えません。ただ、社員のネットワークが似た属性に偏っている場合、紹介チャネルへの依存が候補者プールの偏りを増幅する可能性はあります。ハーバード・ビジネス・レビューも紹介制度と多様性の両立を論点として取り上げています。

なお、紹介経由の入社者について離職確率が低いことを示した研究もあります。示されているのは離職のしにくさであり、能力や採用の質そのものを示した結果ではありません。

私の考えでは、対処は「紹介比率を下げる」ことではなく、偏りがどこから生じているかを把握して他チャネルで補うことです。見るのは次のあたりです。

  • 採用チャネル別の応募数・面談数・採用数(採用数だけでなく、母集団の段階から見る)
  • どの部署・どの職種から紹介が出ているか
  • 特定の前職・学校・コミュニティなど、同じネットワークに紹介が集中していないか
  • 候補者プール自体が特定の層に偏っていないか

属性に関わる情報を扱う場合は、関連法令や社内のプライバシーポリシーに沿った取り扱いが必要になります。個人が特定される形での収集・保管は避け、集計単位で傾向を見るにとどめるのが安全だと考えます。偏りが特定の部署や職種に集中しているなら、そこだけ他チャネルを厚くする、という打ち手になります。

デメリット全般はメリット・デメリットの総まとめ7つのリスク検証で扱っています。

「引き抜き」との線引き

もうひとつ混同されやすいのが、引き抜きです。リファラル採用では、社員が前職の同僚や取引先の知人を紹介する場面が出てきます。これが引き抜きにあたるのではないか、という不安はよく聞きます。

在職中の人に転職の可能性を打診すること自体は、通常は問題になりません。職業選択の自由があるためです。ただし、やり方によっては違法と評価される余地があります。ロア・ユナイテッド法律事務所の競業避止義務と引き抜きの解説によれば、ラクソン事件(東京地裁 平成3年2月25日)では、営業本部長が新人セールスマン24名を組織的に引き抜いた行為について、社会的相当性を逸脱し極めて背信的な方法で行われた場合には雇用契約上の誠実義務違反にあたるとして、損害賠償が認められています。

判断は人数だけで決まるものではありません。同解説によれば、社会的相当性を逸脱した引き抜きかどうかは、勧誘対象者がその会社で占める地位、社内での待遇や人数、退職が会社に及ぼす影響、勧誘に用いた方法などを総合して判断されるとされています。行為の背信性や、勧誘した人が在職中にどのような立場・義務を負っていたかも関わります。「1人ならよい、複数ならだめ」という線ではありません。

実務としては、通常の転職打診と、組織的・背信的な引き抜きを分けて考えるのが現実的だと思います。次のようなケースでは、動く前に弁護士へ確認してください。

  • 同じ会社から複数名を同時期に勧誘する
  • 役員・管理職・事業のキーパーソンにあたる人を勧誘する
  • 在職中の社員が、社内での立場や社内情報を使って勧誘する
  • 顧客情報や社員名簿などを持ち出して使う

紹介してくれる社員が前職で守秘義務や競業避止義務を負っている場合も、事前の確認対象です。こちらも判断が微妙な領域なので、個別のケースは弁護士に相談してください。

「コネ入社では?」と言われたときの答え方

制度を作ったあとも、社内から疑問が出ることはあります。そのときの答え方で、制度が定着するかどうかが変わります。

「コネ入社では?」と聞かれたときの答え方
疑問に答えられていない例
  • 「制度で決まっているので問題ありません」
  • 「優秀な人を採用できるならいいのではないでしょうか」
  • 「選考の中身はお伝えできません」
そのまま使える答え方
  • 「紹介は出会うきっかけで、合否判断に使う基準は通常応募と同じです」
  • 「紹介者との関係を理由に、基準を変えることはありません」
  • 「紹介報酬も対象者・金額・支給条件を規程で統一しています」

「制度で決まっているので問題ありません」と手続きの話に寄せる答え方や、「優秀な人を採用できるならいいのではないでしょうか」と結果を強調する答え方では、質問した社員が知りたいこと(紹介された人だけ優遇されていないか)に答えられていません。

答えるべきは、基準が同じであることです。たとえば、こう答えます。

「紹介されたから採用しているわけではありません。紹介は候補者と出会うきっかけで、合否判断に使う基準は通常応募と同じです。紹介者との関係を理由に基準を変えることもありません。」

報酬について聞かれたら、こう続けます。

「紹介報酬も個別に決めているわけではなく、対象者・金額・支給条件を規程で統一しています。」

紹介者が面談に入っていた場合を聞かれたら、役割の切り分けを説明します。

「紹介した社員は、候補者の経歴や人柄について情報を提供する立場です。合否は複数人で、事前に決めた基準に沿って判断しています。」

それでも納得が得られない場合は、選考フローの図と規程を実際に見せて、事実として確認してもらうのが早いと思います。説明の言葉と運用が一致していれば、確認されて困ることはありません。

よくある質問(FAQ)

Q. リファラル採用と縁故採用の一番の違いは何ですか?
採否を何で決めるかです。あらかじめ定めた評価基準で判断するならリファラル採用、紹介者との関係が採否を左右するなら縁故採用にあたります。紹介ルートの有無ではなく、採否基準が共通かどうかが線引きになります。

Q. 紹介経由の候補者だけカジュアル面談から始めるのは不公平ですか?
接点の作り方や選考の順序が通常応募と違うこと自体が、直ちに不公平な採用になるわけではありません。確認すべきは、最終的な合否判断に使う基準が通常応募と共通しているかどうかです。

Q. 役員の知人を紹介してもらう場合は縁故採用ですか?
紹介者が役員であっても、あらかじめ定めた基準で採否を判断するなら、リファラル採用として運用できます。問題になるのは、役員の紹介だから基準を緩める、要件を満たさなくても採るという運用です。

Q. 縁故採用は法律で禁止されていますか?
縁故採用そのものを一律に禁止する法律はありません。ただし採用には個別の法令上の制約があり、厚生労働省は公正な採用選考の考え方として、広く門戸を開くこと、適性・能力に基づく基準で選考することを示しています。個別の判断は弁護士・社会保険労務士に確認してください。

Q. 紹介できる社員を一部に限定してもよいのですか?
制度として範囲を定めることはあり得ます。避けたいのは、対象者の中で一部の人しか募集要件や報酬条件を知らない状態です。対象者には同じ情報を同じ形で開示してください。

Q. 紹介した社員が面接に同席するのはNGですか?
同席そのものが問題になるわけではありません。紹介者だけで合否を決めない、評価基準を事前に明文化する、可能なら複数人で評価する、情報提供と評価判断を混同しない、といった形で利益相反を抑えられていれば運用できます。

Q. 前職の同僚を紹介してもらうのは引き抜きになりますか?
通常の転職打診であれば、多くの場合は問題になりません。ただし違法性の判断は人数だけで決まらず、対象者の地位、勧誘方法、元の会社への影響、行為の背信性などを総合して行われます。複数名の同時勧誘やキーパーソンの勧誘にあたる場合は、事前に弁護士へ相談してください。

Q. 「ずるい」という声が出たら制度を止めるべきですか?
止める前に、採否基準の共通化、紹介者との関係で評価が動かない仕組み、制度対象者への条件の開示ができているかを確認するのが先だと思います。原因が制度そのものにあるケースは、私の経験では多くありません。

まとめ

リファラル採用と縁故採用を分けているのは、紹介ルートではなく採否の判断基準です。接点や選考の順序は通常応募と違ってもかまいません。あらかじめ定めた基準で採否を判断していて、紹介者との関係でその基準が動かないなら、社員紹介は縁故採用ではありません。

そして「ずるい」と言われるかどうかは、評価基準・募集要件・報酬条件をどこまで透明にできているかで決まります。制度の対象者に同じ情報を開示し、紹介者との関係による例外を作らないこと。この2点を守れていれば、社内の疑問にも事実で答えられます。

出典・参考

伊藤 駿

執筆

伊藤 駿株式会社Filants(Riffy運営)代表取締役

株式会社Wunderbar(Skettt運営)の取締役として、シード〜シリーズA期の5年半、事業・プロダクト・組織・採用を横断してリードしてきました。その中で、国内外で計15名をリファラル採用で採用。0→1・1→10フェーズの採用と組織づくりの実務、そして生成AIを前提とした開発・業務構築の知見をもとに、現場で本当に使えるリファラル採用の実践知をお届けします。

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